協議会について

「中信地域 出産・子育て安心ネットワーク協議会」は、出産・子育ての医療提供体制の確保を目的に、県及び松本地域の市村並びに松本医療圏の医療機関及び医療団体により平成20年5月に「松本地域 出産・子育て安心ネットワーク協議会」として設立されました。そして、令和3年度から大北地域が、令和7年度から木曽地域が加わり、現在の体制となりました。

設立当時、産科を担当する病院医師の不足により、全国的に産科病院の休廃止が相次ぐ危機的状況にありました。 その様な中で、本協議会は産科医療体制の崩壊を食い止める緊急措置として、分娩医療機関と健診協力医療機関における役割分担の明確化や連携体制の構築などに取り組んで参りました。これまで、各医療機関や市町村、そして地域の皆様の御理解と御協力により、分娩医療機関と健診協力医療機関との役割分担が、地域に定着して参りました。

しかし、現在に至るまで産科・小児科医療を取り巻く環境はより厳しさを増しています。

中信地域に暮らす皆様が、安心して地域で子供を産み育てることのできる環境を守るため、今後も関係者が一丸となって、産科医療体制の維持向上等を図って参ります。

皆様の本協議会の取り組みへの御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。

中信地域 出産・子育て安心ネットワーク協議会 会長 小林 正典

中信地域の出産システムについて

中信地域では、お産できる医療機関と妊婦健診のみをおこなう医療機関の役割分担を決めて連携を図っており、お産難民を出さないためにとても有効なシステムとして機能しています。しかしながら、この体制を妊娠前から知っていないと、妊娠当初にとまどう可能性もありえます。これから妊娠する可能性のある周囲の方々へ、少なくとも以下の3項目について是非お伝えください。ご協力をお願いいたします。

1.お産と妊婦健診は、異なる医療機関で対応しています(産科医の少ない現状では、希望施設でお産できない場合もありえることをご了承願います)。
2.初診は、「分娩医療機関」でなく「健診協力医療機関」を受診願います。ここで共通診療ノートが配布されます。
3.共通診療ノートがあれば、いつでもどこでも妊娠状況を把握した診察が可能になります。

このシステムの円滑な運用に重要なことは、妊娠前における住民の皆様への広報となります。そのためには、皆さん同士での口コミ情報伝達も不可欠です。不安を感じる妊婦さんを1人でも減らすために、周囲の方々やご家族などに、以上のことを是非伝えていただきたいのです。産婦人科医はこの地域のお産を守るために今後も努力を続けて参りますので、ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

信州大学医学部 保健学科 金井 誠